海を見ていると、波が穏やかな場所もあれば、激しく波立っている場所もあります。
では、その違いは何から生まれるのか。
風や潮の流れだけでなく、海底の地形も波の動きに影響しています。
海底が浅くなっていたり、地形が急に変化していたりすると
波の高さや進み方が変わることがあります。
この海の姿が、人の身体にも似ているように思います。
身体に現れている痛みや不調は、海面に立つ波。
その波の下には、目には見えない身体の状態があります。
生まれ持った体質や、長年の生活の中で積み重なってきたもの。
そうしたものが重なり、今の身体の状態をつくっていると思います。
大切なのは、ただ波を静めることだけではなく、
その人にとって自然な身体のあり方を見極めること。
鍼灸では、今現れている症状に目を向ける標治法と、身体全体の状態を捉える本治法があります。
目の前の波だけを見るのではなく、その下に広がる海にも目を向ける。
身体が本来の状態を取り戻していくとき、波の立ち方も変わっていきます。
だからこそ、目の前に現れている症状だけではなく、
その人が本来どんな身体のあり方を持っているのかを大切にしています。
同じ症状であっても、
その人の体質や身体の状態によって必要なアプローチは違います。
症状だけを見るのではなく、その人自身を知ることから治療が始まると考えています。
そして大事なところ。
波は消せません。
出ている症状は実は消せないんです。
もう海底からどんな波が出てくるかは決まっていますし、
症状は治している証拠だから。
だから焦らず
海底を見つめてみて!と身体が訴えているんだな。
と少しだけでも感じてもらえたら良いなと思います。














